【パリ 8月16日】
本日、フランス王太子フィリップ殿下とナバラ王国女王フアナ陛下の結婚式が、パリのノートルダム大聖堂で盛大に執り行われた。堂内外には王族、諸侯、聖職者、市民らが集まり、両国の結びつきを祝福した。
式は正午過ぎ、ランス大司教の司式により開始。新郎新婦は祭壇前で指輪を交換し、互いの忠誠と協力を誓った。大聖堂の高窓から差し込む光が新婦の白い衣を照らし、参列者からは感嘆の声が漏れた。王太子は濃紺の礼装に金糸の刺繍をあしらい、フアナ陛下はナバラの紋章を織り込んだマントを羽織って臨んだ。
今回の婚姻は、両国の政治的安定と相互利益を意図したものとされる。ナバラはピレネー山脈を越える交易路を押さえ、フランス南部との結びつきを強化できる。一方、ナバラ側にとってはフランス王家との血縁関係が対外的な安全保障となる。
式典後、王宮では大規模な祝宴が催され、吟遊詩人による歌や舞踏が披露された。パリ市民にはパンとワインが無料で振る舞われ、街は夜遅くまで祝祭の雰囲気に包まれた。
宮廷の側近は「この婚姻は二つの王冠を一つの家に結びつける」と語り、今後の共同統治や同盟強化への期待を示した。ただし、一部の諸侯からは領土と権益を巡る懸念も聞かれる。
歴史的な大聖堂で結ばれた二人の絆は、フランスとナバラの未来を左右する大きな一歩となった。
— RekisyNews 国際・社会面 【1284年】
