【ロンドン 12月16日】
イングランド議会は本日、王権の権限を大幅に制限し、議会の優越を明確に定める「権利の章典(Bill of Rights)」を正式に制定した。 昨年の名誉革命によって王位に就いたウィリアム3世とメアリー2世が、王としての統治条件として承認したもので、王と議会の関係は大きな転機を迎えることとなった。
章典には、国王が議会の同意なく法律を停止・免除することの禁止、常備軍の設置には議会の承認が必要であること、また自由な議会選挙と議会内での言論の自由が保障されることなどが盛り込まれた。これにより、王権の恣意的な行使は法の下に厳しく制限され、議会政治の基盤が初めて制度として確立される。
ロンドン市内では、政変続きの不安から解放されると期待する声が多く聞かれ、市民は「ようやく国に安定が戻る」と語る。議会関係者は、「これで国王は法の支配を超えて振る舞うことができなくなった。今後は議会と国王が協力し、国家を運営する時代になる」と意義を強調した。
一方、一部の貴族や王党派からは、王権の弱体化を懸念する意見も上がっているが、多くの議員は新体制が長期的な平和と政治秩序の確立につながると評価している。今回の章典制定は、イングランドにおける立憲政治の確立に向けた歴史的な一歩として、広く注目を集めている。
— RekisyNews 政治面 【1689年】
