年賀郵便、全国で本格開始──新年のあいさつ文化に新たな時代

【東京 12月15日】

逓信省は本日、新年のあいさつ状を特別に扱う「年賀郵便」制度を全国で開始した。 従来は通常郵便として配達されていた年始状を区別して取り扱うもので、これにより新年元旦に届けられる確実性が向上し、国民の生活習慣にも大きな変化がもたらされると期待されている。

制度では、封筒やはがきに「年賀」と朱書きすれば対象となり、郵便局はこれらをまとめて保管し、翌年1月1日に一斉配達する特別体制を整える。 東京中央郵便局では早速、赤字の「年賀」印の押印作業が始まり、職員らが忙しげに仕分け棚を移動する様子が見られた。

新制度導入の背景には、近年、年初に届く便りへの需要が急増していることがある。都市部では商家を中心に元旦挨拶の習慣が広がり、郵便量の集中が課題となっていた。逓信省担当者は「国民が安心して年始のあいさつを送れるよう、円滑な配達網を整えた」と語り、今後の利用増に自信を見せた。

市民の反応も上々で、郵便局窓口には早くも年賀用はがきを求める人々の姿が並んだ。「元旦に必ず届くならありがたい」「遠くの親戚にも気持ちが確実に伝わる」といった声が聞かれ、郵便制度への信頼が一層高まりつつある。年の瀬を控え、全国の郵便局は新制度運用に向けて慌ただしさを増している。

— RekisyNews 社会面 【1906年】

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