【ジュネーブ 12月14日】
国際連盟は本日の特別会合で、ソビエト連邦がフィンランド領内への軍事侵攻を続けていることを重大な規約違反と認定し、加盟国からの除名を決議した。冬戦争と呼ばれる戦闘は先月末より激化しており、連盟が特定国を除名するのはきわめて異例である。会場では各国代表が緊迫した表情で議論を交わし、最終的に多数の賛成によって決議が成立した。
連盟事務総長は声明で、「武力による国境変更の試みは容認できず、平和維持の理念に反する」と述べ、今回の措置が他国への抑止力となることに期待を示した。一方で、ソ連側は招請に応じず、会議への出席も拒否したため、議論は一方的な形で進められた。フィンランド代表は「我が国の主権と国民を守るための支持だ」と決議を歓迎したが、戦闘の収束は依然として不透明なままである。
各国の外交関係者は、今回の除名が連盟の威信を保つ上で象徴的意義を持つ一方、すでに国際緊張が高まりつつある欧州に新たな波紋を広げる可能性を指摘している。連盟関係者の一人は「平和機構としての限界を問われる局面だ」と語り、今後の調停や支援の体制に注目が集まっている。
— RekisyNews 国際面 【1939年】
