マリナー2号、金星へ最接近──人類初の惑星フライバイに成功

マリナー2号打上げ

【パサデナ 12月14日】

本日、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、金星探査機「マリナー2号」が金星への最接近に成功し、人類史上初となる惑星フライバイ観測が達成されたと発表した。探査機は地球から約3,500万キロ離れた宇宙空間で順調に航行を続け、予定通り金星の外縁部を通過。各種観測データを地球へ送り返した。

マリナー2号は今年8月にケープカナベラルから打ち上げられ、半年近い航行ののち金星へ接近した。無線で届いた報告によれば、探査機は温度計・電波計・磁力計などを用いて金星大気の性質を計測し、金星表面は非常に高温で、厚い雲に覆われているとの推定を裏付ける結果が得られたという。これにより、金星を地球に似た「姉妹惑星」とみなす従来の見方に修正を迫る可能性がある。

NASAの管制室では、最接近の瞬間を迎えると緊張が走り、信号受信が確認されると歓声が上がった。関係者は「今回の成功は惑星探査の時代を開く」と語り、今後予定される火星・金星探査の基盤となることに期待が寄せられている。

— RekisyNews 科学面 【1962年】

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