【ベルリン 12月14日】
本日、ベルリン物理学協会の例会において、ドイツの物理学者マックス・プランク氏が、黒体放射の振る舞いを精密に説明する新しい法則を発表した。長らく難問とされてきた高温物体の放射スペクトルを、美しく単純な式で表すことに成功したもので、出席した研究者の間に大きな衝撃が走った。
従来の理論では短波長域の観測結果を再現できず、「紫外線破綻」と呼ばれる問題が顕著だった。これに対し、プランク氏はエネルギーが連続ではなく“ある最小単位(量子)ごとに交換される”という大胆な仮定を導入し、測定値と驚くほど一致する式を導き出した。会場では詳細な計算と実験結果が示され、重苦しかった放射問題に新たな扉が開かれたとの声が上がった。
氏はあくまで数学的必要性から導いたと述べつつも、提案された仮定は物質と光の理解を根底から揺るがす可能性を秘めている。一部の研究者は「物理学が新時代へ入る兆しだ」と早くも評価を口にした。この理論は今後の電磁気研究や原子論に大きな影響を与えるとみられ、欧州の科学界は緊張と期待をもってその行方を見守っている。
— RekisyNews 科学面 【1900年】
