【ワシントン 12月8日】
本日、米国議会の上下両院合同会議において、フランクリン・D・ルーズベルト大統領は、前日に発生した真珠湾攻撃を受け、歴史に残る演説 「屈辱の日(A date which will live in infamy)」 を行い、日本に対する正式な宣戦布告を議会に求めた。
議会は圧倒的多数でこれを承認し、米国はついに太平洋戦争へと突入した。
演説は午前12時31分、満員の議場が静まり返る中で開始された。ルーズベルト大統領は硬い表情で壇上に立ち、
「アメリカ合衆国は、前日、日本帝国により突如として、意図的に攻撃された」
と明言。真珠湾襲撃を「計画的で裏切りの行為」と断じ、「この屈辱の日を、われわれは決して忘れない」と力強く語った。
議場では演説の最中から議員の怒りと緊張が満ち、読み上げが終わると大きな拍手が沸き起こった。採決の結果、上院では全会一致、下院でもほぼ全員が賛成。米国は正式に日本との戦争状態に入ることとなった。
ワシントン市内では朝から動揺が広がり、政府庁舎周辺には兵士が配置され、通信社には次々と国民からの問い合わせが殺到。市民からは「真珠湾の犠牲を忘れるな」「この国を守らなければ」との声が聞かれ、怒りと悲しみが渦巻いている。
さらに本日午後、イギリス政府も日本に対する 対日宣戦布告 を発表。チャーチル首相は声明で「英国は米国と肩を並べ、日本の侵略に立ち向かう」と表明し、連合国側の結束を強調した。これにより、アジア・太平洋の戦線は一気に世界規模へと拡大する見通しとなった。
軍関係者は、真珠湾での甚大な損害を踏まえ、「今後しばらくは守勢に回らざるを得ない」と語りつつも、国民の団結を訴えた。一方、市民の間では家族の出征や食料統制への不安が高まり、街には混乱と決意の入り混じった空気が漂っている。
今日の演説と宣戦布告は、米国が中立の立場を完全に離れ、第二次世界的戦争へ本格参戦した歴史的転換点となった。
— RekisyNews 国際面 【1941年】
