議会に軍靴の影──“プライドのパージ”強行 長老派が大量追放され、議会は急進派の手に

プライドのパージ

【ロンドン 12月6日】

本日早朝、ロンドンのウェストミンスターで、ニューモデル軍 に所属する軍将校トーマス・プライド大佐が国会議事堂を包囲し、議場へ向かう議員の入場を制限するという前代未聞の行動に踏み切った。

この措置により、国王との穏健な和解を目指す 長老派(プレスビテリアン)議員が多数逮捕・追放 され、議会は急進的独立派の意向が色濃く反映される “ランプ議会” の体制へと移行した。

議事堂周辺には武装した兵士が整列し、登院しようとした長老派議員の多くが、名簿に基づきその場で拘束、あるいは自宅への退去を強制された。

現場を目撃した職員は「議会の門前で議員が兵士に止められるなど、かつて見たことがない」と驚きを隠さなかった。

今回の強硬策の背景には、国王チャールズ1世との和平交渉を進めようとする長老派と、国王を断固として裁くべきだと主張する独立派との深刻な対立がある。ニューモデル軍は、国王の責任追及こそが国内安定の唯一の道だとしており、軍上層部は議会の方針を“修正”する必要があると判断したとみられる。

追放を免れた独立派議員のみで構成された新体制、いわゆるランプ議会は、今後国王裁判に向けた議論をさらに加速させる見通しだ。議会内には重苦しい空気が漂い、ある議員は「今日、議会政治は軍の影響力に屈した」と語った。

一方、市内では「軍による暴挙だ」と憤る声と、「長引く混乱を終わらせるには必要な措置」と擁護する声が入り交じり、情勢は不透明なままとなっている。

本日のパージは、イングランドの政治体制を大きく揺るがす転機であり、国王の運命と国家の行方を決定づける重大な局面を迎えたことを示している。

— RekisyNews 国際面 【1648年】

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