浅利純子選手、女子マラソン制覇 世界陸上で日本勢初の金

 【シュトゥットガルト 8月15日】

第4回世界陸上競技選手権大会は本日、女子マラソンが行われ、浅利純子選手(ユニバーサル)が2時間30分3秒で優勝した。日本勢として同種目初、女子種目全体でも初となる金メダル獲得で、沿道とスタンドを埋めた観客から大きな歓声が上がった。

午前9時に市街地コースをスタートしたレースは、序盤から気温上昇と日差しの強さが選手を苦しめた。浅利選手は中盤まで先頭集団に控え、25キロ付近でスパート。粘るポルトガル勢やロシア勢を振り切り、その後は独走態勢に入った。終盤は疲労の色を見せながらもリズムを崩さず、フィニッシュゲートを切る瞬間には笑顔を見せた。

レース後、浅利選手は「最後まで自分の走りを信じた。沿道の声援が力になった」と語り、日の丸を肩にかけて観客席に応えた。気温は25度を超え、各国有力選手が脱落する中での完走は、その持久力と精神力を印象づけた。

日本陸連関係者は「女子長距離界にとって歴史的勝利」と評価。国内ではテレビ中継での快走に多くの祝福が寄せられ、浅利選手の所属先や地元・大分県からも喜びの声が届いた。

今回の勝利は、1991年東京大会の男子マラソン中山竹通選手の銅以来のメダル獲得であり、日本女子マラソンの国際的地位を高める結果となった。浅利選手は「これからも挑戦を続けたい」と次の目標に視線を向けた。

— RekisyNews スポーツ面 【1993年】

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