【カナダ・ハリファックス 12月6日】
本日午前、カナダ東部ノバスコシア州の軍港 ハリファックス港 で、軍需物資を満載したフランス船「モンブラン号」とノルウェー船「イモ号」が衝突し、巨大爆発 が発生した。爆風は市街地にまで達し、建物は破壊され、死傷者はゼロでは済まない規模に達する見込みで、現地はかつてない混乱に陥っている。
事故は午前9時頃、港内を航行していたモンブラン号がイモ号と接触し、モンブラン号の甲板上に積載されていた火薬・弾薬・ガソリン缶に引火。船体を包んだ黒煙は急速に炎へと変わり、船員は必死に退避を図ったが、数分後、雷鳴のような轟音とともに船は大爆発を起こした。
爆発により発生した衝撃波は市街地へ直撃し、港に隣接する建物は一瞬にして吹き飛んだ。住宅の屋根は吹き飛ばされ、鉄道の客車は転覆、窓ガラスは広範囲で粉砕され、街路には負傷者が溢れた。
現場近くにいた住民は「白い閃光が走ったかと思うと、次の瞬間には地面に叩きつけられた」と震えながら語った。
さらに、爆発の衝撃で港の水が大きく押しのけられ、その反動で 津波 が発生。沿岸住宅が飲み込まれ、救助活動はより困難を極めている。市内の病院では負傷者が次々と運び込まれ、医師たちは「まったく手が足りない」と悲鳴を上げている。
軍関係者は「港湾の軍需輸送の中心地で起きた最悪の事態だ」と述べ、カナダ政府は軍と警察を総動員して救助に当たらせている。
一方、爆発の原因については「航路の優先権を巡る誤解があった」「避難誘導が遅れた」などの証言があり、今後の調査が待たれる。
今回の爆発は、北米で記録された都市災害としては類を見ない規模であり、ハリファックスの街は壊滅的な打撃を受けた。
救助活動は夜を徹して続けられ、被害の全容が明らかになるには時間を要する見通しだ。
— RekisyNews 国際面 【1917年】
