イタリア南部バーリ港で大規模空襲──弾薬船が次々と爆発、甚大な被害

【バーリ(イタリア南部) 12月2日】

本日夜、イタリア南部の港湾都市 バーリ がドイツ空軍の奇襲的な空襲を受け、港湾施設と停泊中の船舶が甚大な被害を受けた。各国の補給船が密集していた港は炎と黒煙に包まれ、破壊は第二次大戦の地中海戦線でも類を見ない規模となっている。

攻撃は日没後まもなく始まった。ドイツ軍の爆撃機編隊がアドリア海方面から低高度で進入し、港湾全域に対して一斉に爆弾を投下。灯火管制が不十分だったこともあり、港内に停泊する連合軍の船団は完全に不意を突かれた。

爆発は連鎖し、複数の弾薬船がほぼ同時に炎上。中でも、弾薬を満載した大型輸送船が大爆発を起こした瞬間、港一帯は昼のように明るく輝き、近隣の街区にまで衝撃波が走った。

現場付近にいた兵士は「突然、巨大な火柱が立ち上がった。爆風で地面に叩きつけられ、何が起きたのか理解できなかった」と語った。

救助活動は夜通し続けられているが、港は炎と黒煙に覆われ、船舶の残骸が海面に散乱しているため作業は極めて困難だ。医療班は負傷者の応急処置に追われ、近隣の病院はすでに満床状態に近い。市民の避難も進められており、街の一部では電力供給が途絶している。

港にはイギリス軍、アメリカ軍、イタリア共同戦線の補給物資が大量に集積されており、今回の損失は前線への補給に大きな支障を与える可能性がある。軍関係者の一人は「完全な不意打ちだ。港湾防空体制の見直しは避けられない」と語った。

突然の大爆発と港湾の壊滅的被害に、バーリの街は深い混乱に包まれている。

連合軍は攻撃の経緯と損害状況の調査を急いでおり、地中海戦線の今後に影響を与えることは必至だ。

— RekisyNews 国際面 【1943年】

アイキャッチ画像 Bundesarchiv, Bild 101I-363-2258-11 / Rompel / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5477236による

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