映画『E.T.』日本上陸──涙と感動の物語に全国で長蛇の列、空前の大ヒットの兆し

【東京 12月4日】

本日、スティーヴン・スピルバーグ監督の最新作 『E.T.』 が日本国内で公開され、各地の映画館には早朝から観客が押し寄せる大盛況となった。アメリカでの大ヒットに続き、公開前から話題を集めていた本作は、日本でも初日から“社会現象”の様相を見せている。

東京・新宿の映画館では、開場前の歩道に数百人の列ができ、スタッフが整理に追われた。公開初回を観た女子学生は「こんなに泣いた映画は初めて。E.T. がかわいくてたまらない」と興奮した様子で語り、家族連れも「子どもと一緒に観られる素晴らしい映画」と笑顔を見せた。

本作は、地球に取り残された宇宙生命体 E.T. と少年エリオットの交流を描く物語。友情、家族愛、そして別れのシーンが丁寧に描かれ、海外では「大人が泣ける映画」として絶賛されてきた。映画評論家は、「特撮とドラマの融合が見事で、スピルバーグの代表作になる」と評価している。

上映館ではグッズ売り場にも列ができ、E.T. のぬいぐるみやポスターが飛ぶように売れている。配給会社関係者は「ここまでの熱気は予想以上。年末にかけて全国的な大ヒットになる」と期待を語った。映画館ロビーでは「“空を飛ぶ自転車”のシーンが忘れられない」といった余韻に浸る声も多く聞かれた。

映画関係者の間では、本作の配給収入が歴代記録を塗り替えるのではとの見方が強まっている。洋画・邦画を含めて歴代1位に達する可能性が早くも話題となっており、観客の勢いは今後さらに増す見込みだ。子どもから大人まで幅広い世代の支持を集める本作は、日本の映画興行に新しい時代をもたらすとみられている。

“友情と別れ”の物語が描く普遍の感動は、日本中に静かに、しかし確実に広がりつつある。 冬の映画館を温かな涙で満たす『E.T.』は、今年最大の話題作になるだろう。

— RekisyNews 文化面 【1982年】

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