【カリフォルニア州サンタクララ郡 12月3日】
本日、カリフォルニア州にある天文研究機関、リック天文台に所属する天文学者 Charles Dillon Perrine 氏が、惑星 Jupiter(木星)の周囲を回る新たな衛星、Himalia の存在を報告した。これは木星における既知の衛星としては6番目のものであり、木星系の構造理解に新たな一石を投じる発見である。
観測は、リック天文台の大型屈折望遠鏡で夜間に行われ、複数夜にわたる追跡観測の末、木星とともに移動する微かな光点が確認された。この光点は、恒星とは異なる動きを示し、軌道計算の結果、木星を周回する衛星であると判断されたという。リック天文台関係者は、「乾板写真の分析と綿密な観測の積み重ねが、今回の発見を可能にした」と語っている。
今回の新衛星の発見は、これまで木星の衛星系がガリレオ衛星を中心に理解されてきた構造に、新たな周辺天体の存在を示すものだ。特に、Himalia は既知の衛星よりも木星から遠く離れた軌道を回るとみられており、「木星の小天体帯」のような領域の存在を裏づける可能性がある。
発見の報を受け、米国内の天文学者や海外研究機関から祝電が相次いでおり、「近代天文学にとって大きな前進」「木星系の多様性が改めて示された」と高い評価を受けている。天文雑誌や各国の天文台では、今後数ヶ月以内に軌道要素の公開とともに観測の呼びかけが行われる見通しだ。
リック天文台でも今後は、望遠鏡の夜間運用を強化し、この新衛星の追加観測を続けるとしている。また、Himalia の大きさ、表面光度、色などを調べるため、新たな研究機材を導入する予定だ。これにより、木星衛星系の起源や進化に関する理解が一層深まることが期待される。
本日の発見は、木星の衛星数を拡大しただけでなく、惑星系研究の扉を再び大きく開くものである。夜空を見上げる誰もが、遠く木星の周囲を回る小さな天体を想起する――そんな夢を与える知らせであった。
— RekisyNews 科学面 【1904年】
アイキャッチ画像 Observatorio Nacional Argentino – Observatorio Astronómico Córdoba – Museo Astronómico, FAL, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=9796573による
