黒海・シノープ軍港で激戦──ロシア艦隊がオスマン艦隊を殲滅、欧州列強に衝撃走る

【シノープ(オスマン帝国) 11月30日】

本日未明、黒海沿岸の軍港シノープに停泊していたオスマン帝国艦隊が、ロシア黒海艦隊の大規模な攻撃を受け、壊滅的打撃を受けた。現地からの報告によれば、港内のオスマン艦船はほぼすべてが炎上または沈没し、周辺の倉庫や砲台にも大きな被害が生じている模様だ。

攻撃を仕掛けたのはナヒーモフ提督率いるロシア黒海艦隊で、早朝、濃い霧に包まれた海面を進んでシノープ湾へ侵入。湾内に停泊していたオスマン艦隊に対し、新式の爆発性砲弾を用いた一斉射撃を開始した。砲弾は木造船体を容易に貫通し、内部で爆ぜて激しい火災を引き起こしたとされ、湾全体が黒煙に包まれた。

オスマン側は砲台から応戦したが、艦数・火力ともに劣勢であり、ほとんどの艦船が逃げ場を失ったまま炎上。港周辺では兵士や船員が岸へ脱出する姿が見られたが、被害の全容はまだつかめていない。現地住民は砲声と炎の轟音に怯え、丘陵地帯へ避難するなど混乱が続いている。

今回の急襲は、オスマン帝国とロシア帝国の対立が各地で激化する中で発生したものだが、特に欧州列強に強い衝撃を与えている。シノープでの壊滅的打撃は「ロシアの黒海支配の意思を示す行為」と受け止められ、ロンドンとパリの政府筋からは、イギリス・フランス両国が事態に介入する決意を固めつつあるとの報がすでに流れ始めている。

イスタンブルでは住民の不安が高まり、オスマン政府は非常評議会を招集。補給線の再構築と黒海沿岸の防備強化を急ぐ構えだが、軍部の間では「黒海の制海権を失う恐れがある」との危機感が広がっている。

シノープ湾には今も煙が立ちこめ、沈んだ船体の一部が焦げた木片とともに波間に漂う光景が見られる。今回の海戦は地域の緊張を一気に高め、ヨーロッパ全体を巻き込む戦争への序章となる可能性が指摘されている。

— RekisyNews 国際面 【1853年】

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