食品工業、東京で創業──国産マヨネーズ製造を目指す新企業が始動

【東京 11月30日】

本日、東京市内において調味料製造を目的とする新会社「食品工業」が創業した。創業者は中島董一郎氏。長らく貿易商として欧米に目を向けてきた同氏は、欧米で普及しているマヨネーズに着目し、これを日本の食卓に根づかせるべく国産化への取り組みを進める方針を掲げた。

食品工業は当初、食酢・瓶詰食品・果汁などを中心に扱うが、なかでも注目されているのが、欧米式調味料の国産製造への挑戦である。特にマヨネーズは国内ではまだ一般的でなく、輸入品も限られているが、中島氏は渡米経験を通じて「家庭料理の幅を広げる調味料になる」と確信し、研究と試作を重ねてきたという。

創業にあたり、東京・渋谷に小規模ながら近代的設備を備えた製造所が設けられた。関係者向けに公開された試作品は、卵と油を乳化させた滑らかな風味が特徴で、試食した来賓からは「洋食の普及とともに需要が伸びるのではないか」との声も上がった。

一方、国内の食品産業はまだ発展段階にあり、品質管理や保存技術の確立が課題とされている。食品工業では衛生的な製造工程を整えるため、最新の瓶詰設備を導入し、輸入調味料に頼らない安定した供給体制を目指すとしている。

中島氏は、「日本の食卓はこれから大きく変わる。安全で新しい味を届けたい」と抱負を語った。国内の小売店からは興味を示す声がある一方、「洋風調味料が一般家庭に受け入れられるかは未知数」と慎重な見方も残る。

食品工業の歩みは始まったばかりだが、西洋料理の浸透が進む中で、同社の挑戦が食文化にどのような影響を与えるのか、今後の動向が注目される。

— RekisyNews 経済面 【1919年】

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