【アルジュバロータ 8月14日】
ポルトガル中部アルジュバロータ近郊で本日、王位継承を巡る大規模な会戦が行われ、ジョアン1世率いるポルトガル軍が、カスティーリャ王フアン1世の軍勢を破った。勝利により、国内外におけるジョアン1世の王位正統性が大きく高まった。
戦いは正午前に始まった。カスティーリャ軍は騎兵を中心に数で優勢とされ、南方からポルトガル領へ侵入。これを迎え撃つポルトガル軍は、英軍から派遣された指揮官ペドロ・デ・アルメイダらの助言を受け、丘陵地を背に防御陣を構築した。
カスティーリャ軍は度重なる突撃を敢行したが、狭い地形と防御柵に阻まれ、前線は崩れなかった。午後、ポルトガル軍の反撃が開始され、長弓兵と槍兵が進軍路を制圧。混乱に陥ったカスティーリャ軍は総崩れとなり、多くの兵が捕虜となった。
現地の農夫は「空は矢で覆われ、地面は馬と兵で埋まった」と語り、戦場には破損した甲冑や旗が散乱している。戦後、ジョアン1世は「この地の守りと民の忠誠こそが勝利の源」と述べ、将兵と民衆に感謝の意を表した。
今回の勝利は、百年戦争期における英・仏両国の勢力図にも影響を及ぼす可能性がある。ポルトガルとイングランドの同盟は一層強化され、カスティーリャの影響力は大きく後退する見通しだ。
アルジュバロータの丘に翻る王旗は、独立と王権の確立を告げる象徴として、国内に長く記憶されることになるだろう。
— RekisyNews 国際面 【1385年】