マゼラン一行、大洋を越える航路へ──ヨーロッパ人として初めて太平洋へ到達

【南アメリカ西岸沖 1520年11月28日】

本日、ポルトガル出身の航海者フェルディナンド・マゼランが指揮するスペイン艦隊が、南アメリカ大陸の南端部にて大西洋から太平洋へと抜ける航路を発見し、実際にその外洋へ到達した。これにより、ヨーロッパ人として初めて太平洋へ出航した歴史的な航海が記録されることとなった。

マゼラン艦隊は、スペイン国王カルロス1世(後の神聖ローマ皇帝カール5世)の支援を受け、香辛料の産地「モルッカ諸島(スパイス諸島)」への西回り航路を開拓すべく、1519年にセビリアを出航。アメリカ大陸の東岸を南下しながら、長らく未発見とされていた南端の海峡を探索していた

11月上旬、マゼラン艦隊はついに、後に「マゼラン海峡」と呼ばれる複雑で入り組んだ水路を発見。嵐や潮流、地形の難所に翻弄されながらも慎重に航行を続け、約1か月に及ぶ試練の末、ついに本日、その出口を抜けて新たな外洋に達した

この大海原は、これまでの航海で見られたような荒天や強風がないことから、マゼランによって「太平(パシフィック)なる海(Mar Pacífico)」と命名された。

この海の彼方に目指す香辛料の島々があるという確証は未だないものの、今回の航路発見は、アジアへの新たな道を開く大きな突破口となる可能性を秘めている。世界一周航海の実現も視野に入る中、マゼラン一行の今後の動向に世界の注目が集まっている。

— RekisyNews 海洋探検面 【1520年】

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