近鉄名古屋線・鈴鹿線の標準軌化が完了 中部圏の直通運転に道

【三重県 11月27日】

本日、近畿日本鉄道(近鉄)は、名古屋線および鈴鹿線の狭軌(1,067mm)から標準軌(1,435mm)への改軌工事が完了し、通常運行を再開した。この改軌により、大阪方面と名古屋方面の直通運転が技術的に可能となり、近鉄の広域輸送網の利便性が一層向上する見通しだ。

名古屋線は、戦前は関西急行鉄道が保有していたが、近鉄との合併後も長らく狭軌のまま運行されていた。1959年9月の伊勢湾台風による甚大な被害を受けたことを契機に、近鉄は復旧と同時に名古屋線・鈴鹿線の標準軌化を決断。輸送効率の向上と運行系統の統一を目指し、約2か月の突貫工事で本日の再開にこぎつけた。

改軌工事にあたっては、レール幅の変更のみならず、車両の更新や駅設備の改修も必要とされ、大規模なインフラ投資が実施された。工事中はバス代行輸送などで対応し、地域住民の足を支え続けていた

なお、今回改軌されたのは名古屋線・鈴鹿線に限られ、近鉄全体の路線網が標準軌に統一されたわけではない。たとえば、養老線や内部・八王子線などは依然として狭軌での運行が続いている。

近鉄の担当者は「台風被災からの復旧に加え、長年の課題だった標準軌化が実現した。今後はより快適な直通運転サービスを展開したい」と述べた。

— RekisyNews 経済面 【1959年】

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