ロサンゼルス大会閉幕 猛暑と熱戦の16日間

【ロサンゼルス 8月14日】

16日間にわたり世界の注目を集めた第10回夏季オリンピックは本日、ロサンゼルス・コロシアムで閉会式を迎えた。猛暑の中、37か国から約1400名の選手が参加し、陸上、水泳、体操、ボクシングなど多彩な競技で熱戦を展開した。記録更新や新種目の採用など、多くの話題を残して幕を閉じた。

閉会式は夕刻に始まり、各国選手団が国旗を先頭に整列。スタジアムを埋めた観衆が大きな拍手を送る中、大会旗が降ろされ、次回開催都市へと引き継がれた。聖火が静かに消えると、夜空に花火が打ち上がり、観客席からは惜しむような歓声が響いた。

大会では米国選手団が圧倒的な強さを見せ、陸上男子100メートル、400メートルなどで金メダルを獲得。日本勢も競泳女子で前畑秀子選手が銀を獲得し、男子200メートル平泳ぎでは鶴田義行選手が金メダルを獲得するなど、水泳陣が健闘した。体操や陸上でも入賞者が出て、日本選手団は計18個のメダルを持ち帰る成果を上げた。

この大会は、世界恐慌下での開催ながらも入場者数は延べ100万人を超え、競技場整備や運営面でも効率化が図られた。特に選手村が公式に設置された初めての大会として、各国選手の交流の場となったことが評価されている。

大会組織委員長は「記録の向上と友情の芽生え、双方をこの地で見届けた」と述べ、参加各国の代表も互いの健闘を称え合った。地中海性気候の空の下で繰り広げられた16日間は、多くの人々の記憶に刻まれた。

— RekisyNews スポーツ面 【1932年】

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