三島由紀夫氏、自衛隊本部で割腹自決──“檄文”読み上げ後に行動、国内に衝撃広がる

【東京・市ヶ谷 11月25日】

本日正午過ぎ、作家の三島由紀夫氏(45)が、自衛隊市ヶ谷駐屯地の東部方面総監部司令室において割腹し死亡した。同行していた民間防衛組織「楯の会」の会員4名とともに総監室を占拠し、隊員らに向けて“自衛隊よ決起せよ”と呼びかける演説を行ったのち、自ら命を絶った。現場は一時騒然となり、文学界・政界・国民に大きな衝撃が走っている。

事件は同日午前10時過ぎ、三島氏が楯の会メンバーを伴い総監を訪問した際に始まった。一行は総監を室内に拘束し、バルコニーに姿を見せた三島氏は、隊員らを前に憲法改正と国防意識の覚醒を訴える約10分間の演説を実施。しかし、隊員からの反応が得られないまま室内へ戻り、直後に短刀で腹部を突き割った。介錯を試みた会員もその場で自決した。

三島氏は、戦後文学を代表する作家として国内外で高い評価を受けてきた一方、近年は憲法観や自衛隊への関心を強め、楯の会の結成や諸活動を通じて強い国家観を示していた。今回の行動には、思想的背景のほか、氏の文学観と生死観が強く影響したとみられる。

警視庁は楯の会会員の身柄を確保し、動機の詳細や事前準備の状況について調べを進めている。一方、自衛隊内では警備体制への反省や再発防止策が検討されており、今後の議論は国会にも波及する可能性が高い。

戦後日本の精神と制度に向けられた三島氏最後の行動は、社会に重い問いを残したまま幕を閉じた。

— RekisyNews 社会面 【1970年】

アイキャッチ画像 ANP scans 8ANP 222) – http://www.gahetna.nl/en/collectie/afbeeldingen/fotocollectie/zoeken/weergave/detail/start/1/tstart/0/q/zoekterm/Mishima/q/commentaar/1, CC BY-SA 3.0 nl, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=37489837による

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