ホワイトシップ、ノルマンディ沖で遭難 王太子ウィリアムら多数の貴族が海に没す

ホワイトシップの遭難

【バルフルール 11月25日】

本日深夜、ノルマンディの港町バルフルールを出港した帆船「ホワイトシップ(白船)」が、出航直後に暗礁に衝突し沈没するという大惨事が発生した。乗船していたイングランド王ヘンリー一世の王太子、ウィリアム・アデリン(17)を含む、多くの王族・高位貴族が波間に消え、王国に激震が走っている。

ホワイトシップは、嵐明けの穏やかな夜に、王家の親族や廷臣を多数乗せて出港した。船には大量の酒が積み込まれ、乗員も酔いに任せて出航準備を行っていたとの証言もある。出港から間もなく、暗礁に乗り上げて船体が破損し、船は短時間で沈没。冷たい海に投げ出された乗客の多くが命を落とした。

生存者は、漁師とされる者1人のみで、王太子を含む200名以上が死亡したと見られる。ウィリアム王太子は、ノルマン・イングランドの王位継承者として父ヘンリー一世の治世の要とされており、その突然の死は、王朝の未来に深刻な影響を与えるものとみられている。

宮廷関係者の話によれば、王はこの報を聞き絶句し、しばらく言葉を発せぬまま涙を流したという。王子の死とともに、王の庶子たちや重臣の家族も失われており、後継問題のみならず、政界の構造にも混乱が広がる恐れがある。

事故の原因は酒に酔った操船ミスとの見方が強まっており、船長も事故とともに命を落としたとされる。今後、出港許可を出した港湾当局や随行した貴族たちの責任についても議論が避けられない情勢だ。

— RekisyNews 国際面 【1120年】

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