新元号「朱鳥」に改元 白雉以来32年ぶり、朝廷が詔

 【藤原京 8月14日】

朝廷は本日、元号を「朱鳥(しゅちょう)」と定め、翌日から施行する旨の詔を発した。元号制定は白雉以来32年ぶりで、長らく途絶えていた改元が再開されることとなった。

詔は藤原京の大極殿で読み上げられ、「朱鳥は四神の南方を司る霊鳥にして、繁栄と安泰を象徴する」と新元号の由来を示した。改元の理由については明言されなかったが、近年の政治体制の整備と律令制度の進展を背景に、国家の新たな節目を示す意図があるとみられる。

白雉の元号は大化に続く二つ目として制定されたが、その後は元号の使用が途絶えていた。今回の改元は、国史編纂や暦法整備の動きとも連動し、朝廷の権威強化を内外に示す効果が期待される。

宮中では新元号の宣布に伴い、各役所や地方官衙への通達が急ぎ行われている。官人の一人は「国の歩みを記す年号が復活することで、政務や記録の統一が進む」と語った。市井では「めでたい名だ」と喜ぶ声がある一方、「元号が変わっても暮らしは変わらぬ」と冷ややかな反応も見られる。

改元にあたり、暦の書き換えや文書の新表記が必要となり、寺社や豪族の記録係は対応に追われている。朱鳥の名が示す通り、南方の守護と長久の繁栄が国に訪れるか、注目が集まっている。

— RekisyNews 政治面 【689年】

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