【スタンリーヴィル 11月24日】
本日、アフリカ中部のコンゴ民主共和国東部スタンリーヴィルにおいて、同市を制圧していた反政府勢力「シンバ兵」に拘束されていた人質の救出を目的とした国際的な軍事作戦が決行された。作戦名は「ドラゴン・ルージュ(赤い竜)」と呼ばれ、アメリカ空軍のC-130輸送機が空からベルギー軍の空挺部隊を同市に投下。事態は急展開を迎えた。
シンバ兵は、旧宗主国ベルギーやアメリカなどの外国人を多数人質として確保しており、その数は500人を超えると見られていた。彼らの生命が危機に瀕しているとの情報を受け、ベルギー政府はアメリカと協調の上で、パラシュート降下による強行作戦を選択した。
作戦は現地時間の午前中に始まり、ベルギー空挺隊が市内の主要地点を制圧しながら人質を確保。同時に、空港にはアメリカ機が着陸し、救出された人々を次々と搬出した。現地からの報道によれば、多数の人質が無事救出された一方、作戦前に数十名の人質が殺害されたとの未確認情報もある。
コンゴでは昨年来、東部を中心に反政府勢力による支配地域が広がり、旧宗主国や外国人への敵意が増していた。今次作戦は、そうした混乱の中で国際社会が主導して行った大規模な人道的介入として注目を集めている。
作戦は今後数日にわたり続行される見通しであり、スタンリーヴィル市街の完全掌握と残る人質の救出が急がれる。
— RekisyNews 国際面 【1964年】
