【ギルバート諸島・ベティオ島 11月23日】
本日、南太平洋ギルバート諸島のタラワ環礁において、日米両軍が激突していた「タラワの戦い」が終結。日本軍守備隊は最後の抵抗を続けていたが、米軍の総攻撃の末に全滅し、事実上の玉砕となった。開戦から3日間、環礁を覆った凄惨な戦闘は、ようやく幕を閉じた。
戦闘が行われたのは、タラワ環礁の中でも最西端に位置するベティオ島。ここには、海軍第3特別陸戦隊を中心とした日本軍守備隊約4,800人が配置され、滑走路や砲台、地下壕を備えた要塞が築かれていた。一方、上陸した米海兵隊は兵員約18,000。波打ち際からの強行上陸となり、多数の犠牲を出しながらも徐々に制圧を進めた。
日本側は徹底抗戦の構えを崩さず、銃剣突撃や夜襲を繰り返すなど熾烈な抵抗を展開。しかし、圧倒的な火力と兵力差の前に次第に押し込まれ、最終的にほぼ全員が戦死した。米側発表によれば、日本軍の生存者はわずかに捕虜数十名にとどまり、事実上の全滅状態とされる。
一方、米軍側も上陸初日から多数の戦死者を出しており、わずか1平方半マイルの島で3,000名近い死傷者を記録したことは、太平洋戦線における新たな教訓となるだろう。
タラワ環礁の喪失は、中部太平洋における日本の防衛線が次の段階に移ったことを意味しており、マーシャル諸島やマリアナ諸島をめぐる戦いへと、戦局はさらに深まることが予想される。
— RekisyNews 国際面 【1943年】
