“見る時代”を告げる一冊──新雑誌『LIFE』、本日創刊

【ニューヨーク 11月23日】

本日、アメリカ合衆国ニューヨークにて、新たな週刊雑誌『LIFE(ライフ)』の創刊号が全国で発売された。発行元はタイム社(Time Inc.)で、創刊者ヘンリー・ルース氏が掲げる「写真で語るジャーナリズム」という理念のもと、視覚を中心に据えた斬新な紙面構成が話題を呼んでいる

創刊号の表紙には、ダム建設現場で水を浴びる働く男性の一瞬を捉えた写真が大胆に使用されており、文章よりも写真で世界を伝えるという編集方針が強く打ち出されている。誌面には国内外の時事、社会、文化、科学に関する記事が並び、それぞれに迫力ある写真が全面的に配されているのが特徴だ。

『LIFE』は既存の週刊誌とは異なり、文字ではなく写真を軸に構成されている点で画期的とされる。編集長は「現代は“見ること”が最も力を持つ時代。読者に世界の鼓動をそのまま届けたい」と語っており、読者層は都市部の中間層を中心に広がることが期待されている。

また、創刊号の発行部数は100万部を超え、書店・売店では発売初日から多くの市民が手に取る姿が見られた。出版界の関係者からも「これまでにない切り口。新しいメディアの時代を象徴する動き」と注目が集まっている。

映像文化の進展とともに、雑誌も視覚表現を主軸とする時代へ──『LIFE』創刊は、まさにその転換点を告げる出来事となった

— RekisyNews 文化面 【1936年】

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