セントルイス万博と並行開催、世界の若者が競った“新しき競技の祭典”閉幕

【セントルイス 11月23日】

本日、第3回夏季オリンピック競技大会(セントルイス大会)がついに閉幕した。今大会は、アメリカ合衆国ミズーリ州セントルイスにて、万国博覧会の一環として7月1日より開催されており、実に4か月以上にわたって多くの競技が分散開催される異例の構成となった。

参加国は13か国とされ、開催国アメリカ勢が圧倒的な数の選手を送り込んだ結果、金・銀・銅の多くを独占する形となった。特に陸上競技、レスリング、ボクシングではアメリカ選手の活躍が際立ち、大会の国際色はやや薄れたとの声も一部からは上がっている。

一方で、種目の拡充や女性の出場継続といった点では前回大会に比べ前進も見られた。また、博覧会来場者との相乗効果により、会場には国内外から多数の観客が詰めかけ、競技の合間には万博の展示を楽しむという独特の賑わいも演出された

ただし、大会運営においては開催期間の長さや日程の混乱が課題とされ、多くの外国選手が渡航を断念する結果となった。欧州からの参加が大幅に減少したことで、大会の“世界性”に疑問を投げかける声も専門家の間でささやかれている

閉幕式では主催者が「今後の五輪発展に向けた礎が築かれた」と述べ、スポーツを通じた国際交流の継続を誓った。オリンピックがいまだ模索の時代にあることを象徴する大会となったが、近代スポーツの胎動を感じさせる意義深い一幕であった

— RekisyNews スポーツ面 【1904年】

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