【モスクワ 11月22日】
本日、ソビエト連邦は史上初となる二段階式水素爆弾の実験に成功した。コードネームは「RDS-37」とされ、中央アジアのセミパラチンスク核実験場にて行われたこの爆発は、従来の原子爆弾をはるかに上回る威力を示し、核兵器開発において重大な転機となった。
関係筋によれば、今回の爆発は空中投下方式で行われ、爆風・放射線の影響を最小限に抑える高度な制御が行われたとされる。報道機関への公式発表はないが、西側諸国の観測でも高エネルギー放出が検出されており、実験成功は確実と見られている。
この水素爆弾は、1952年にアメリカが「アイビー作戦」にて初めて実用化に成功したものと同様の核融合反応を用いた大規模破壊兵器であり、ソ連としては初の本格的な成功例となる。これにより米ソ間の核競争は一層の激化が予想される。
なお、今回の実験では周辺住民への影響が懸念されており、一部報道では爆風により事故や負傷者が出た可能性も指摘されているが、詳細は明らかになっていない。
冷戦構造の中、核抑止力を背景とした軍拡競争は新たな段階に突入した。国際社会の緊張は今後ますます高まる見通しだ。
— RekisyNews 科学・国際面 【1955年】
