英病院船ブリタニック、エーゲ海で沈没 多数の負傷兵搬送中に事故

【アテネ沖 11月21日】

本日午前、エーゲ海を航行していた英国の巨大病院船「ブリタニック」が爆発とともに急激に沈没した。船は戦地からの負傷兵輸送を担う重要任務についており、現場海域では乗組員と医療要員による必死の脱出作業が続いた。

ブリタニックはホワイト・スター・ライン社が建造した大型客船で、戦時徴用後は甲板全体を白塗りとし、赤十字標章を掲げて運航していた。沈没の原因は現時点で断定されていないが、英国海軍省は「機雷による損傷の可能性が高い」と発表。衝撃は船体中央部に集中し、浸水は爆発からわずか数分で全区画に広がったという。

付近の救難艇や軍艦が急行し、海上では生存者の救助が続く。負傷者の一部は近隣のギリシャ医療施設へ搬送されたが、死者・行方不明者の数は依然不明で、被害は大きいとみられる。沈没までの時間は約1時間と伝えられ、犠牲者拡大の一因となった。

英国当局は調査委員会を設置し、航路の安全確保と医療船保護の強化を検討する方針。戦場からの救護活動が続く中、海上輸送の脆弱性が改めて浮き彫りとなった。

— RekisyNews 国際面 【1916年】

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