【東京 11月21日】
任天堂の新型家庭用ゲーム機「スーパーファミコン」が本日、全国一斉に店頭に並び、早朝から主要都市の販売店には数百人規模の行列ができた。16ビットCPUを搭載した同機は、映像表現や音響性能を大幅に強化した次世代機として注目され、発売前から高い期待を集めていた。
都内では午前8時の開店と同時に持ち帰る客の姿が相次ぎ、各店で用意された初回入荷分はわずか数十分で完売。任天堂は当面の供給不足を見込み、増産体制を整えるとしている。ローンチタイトルには『スーパーマリオワールド』などが並び、ゲームファンの間では「家庭のテレビが劇的に変わる」との声が上がる。
ハードには独自の拡大縮小・回転機能を備えたグラフィックチップを搭載し、従来機のファミリーコンピュータを大幅に上回る描画性能を実現。店頭でデモ映像を見た親子連れは「アーケードに近い迫力が家で楽しめる」と熱心に見入っていた。
玩具販売関係者は「年末商戦の主役は間違いなくスーパーファミコン」と話し、国内ゲーム市場の競争が一段と激しくなる見通しだ。
— RekisyNews 経済・文化面 【1990年】
