【シアトル 11月20日】
米大リーグ機構(MLB)は本日、アメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)にシアトル・マリナーズの外野手イチロー(本名:鈴木一朗)を選出したと発表した。日本出身選手のMVP受賞は史上初。今季は新人ながら首位打者、盗塁王、ゴールドグラブ賞など数々のタイトルを獲得しており、球団の年間最多勝記録更新に大きく貢献したことが評価された。
イチローは今季、打率.350、出塁率.381、盗塁56、安打242本を記録。とりわけ安打数は1911年のラリー・ラジョイ以来となる歴代最多クラスの成績で、守備・走塁・打撃の三拍子を高水準で発揮した。スポーツ紙は「スピードと精密な打撃がリーグの様相を一変させた」と報じ、各球場での観客動員増にも寄与したとされる。
マリナーズは今季、ア・リーグ新記録となる116勝を達成。イチローは1番打者として攻撃の中心を担い、チームを地区優勝へ導いた。MVP投票では記者のほぼ満票に近い支持を集め、圧倒的な評価が示された。
シアトル市内では早朝からファンが集まり、受賞決定のニュースが流れると歓声が上がった。イチローは球団を通じて「すべてのプレーがチームの勝利のためだった。この賞は仲間とファンのもの」とコメントした。
日本プロ野球で7度の首位打者に輝いた背番号51は、海を越えて再び歴史を刻んだ。シアトルの秋空の下、その名は新たな伝説として刻まれている。
— RekisyNews スポーツ面 【2001年】
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