【伊予・松山 11月19日】
新政府軍と旧幕府方との間で続く一連の戦闘の中、本日、伊予国松山において「松山戦争」と呼ばれる衝突が発生した。戊辰の役は秋以降も各地で緊張を保っており、四国でも佐幕諸藩と新政府軍の対立が表面化している。
松山藩はこれまで明確な立場を示さず静観してきたが、周辺での新政府軍の進軍に伴い、城下には不安が広がっていた。今月中旬、新政府軍の一部隊が松山近郊へ入り、通行の許可と物資の供出を求めたことが発端とされる。藩側がこれを拒んだことで緊張が高まり、兵力の衝突へと発展した。
午前中、新政府軍歩兵隊が松山城下に進出し、藩兵と散発的な銃撃戦を開始。城下の要所で小競り合いが続き、町人らは戸板を打ち付け家屋に籠るなど混乱の中で身の安全を図っている。特に城下南部では双方の激しい撃ち合いが報告され、火薬の煙が立ち込める中、負傷者が相次いで運び込まれた。
午後に入り、藩側は抵抗を続けたものの、新政府軍の包囲が強まり、藩庁内部では降伏の可否をめぐる協議が続いている。城下では新政府軍兵士が通りを確保し、主要施設の制圧を進めているとの情報もある。
市中には、「いずれ藩も新政府に従うほかない」との声が多く、長く続いた混乱の収束を望む町人の姿が目立つ。一方で、武士階級の中には旧来の秩序の崩壊に不安を抱く者も少なくなく、緊迫した空気が城下全体を覆っている。
四国での戦闘はこれが転換点になる可能性もあり、今後の動向が注視される。
— RekisyNews 戦況報道面 【1868年】
