【カリブ海沖 11月19日】
クリストファー・コロンブス率いる探検隊は本日、航海中に新たな島影を認め、上陸を果たした。今回到達した島は、先に発見された大アンティル諸島の東方に位置し、深い森と山並みが連なる豊かな土地とみられる。探検隊の記録によれば、島には清流が多く、野鳥が群れ、海岸には白い砂浜が広がっているという。
今航海でのこの地上陸は、スペイン王室の後援を受けたコロンブス艦隊にとって重要な節目となる。船団は今夏にカディス港を出航後、カナリア諸島を経て西方へ進み、すでに複数の島を探査してきた。隊員らは帆を畳んだのち、安全を確かめながら小舟で岸へ接近し、周囲の地形を慎重に確かめた。
島の沿岸部では、先住民とみられる人々の存在も確認された。彼らはやや慎重な様子を見せつつも敵意は示さず、遠巻きに探検隊の動きを見守っていたという。言語や風習はまだ明らかではないが、同隊は今後、食糧・水の補給を確保しつつ、住民との接触を慎重に進める方針だ。
この地域は豊かな森林資源と農耕に適した土地を有するとされ、王室も強い関心を寄せている。コロンブスは到達した島をスペインの名において領有するとし、地誌の調査や周辺島の探索をさらに続ける意向を示した。大西洋を越える長い航海の果てに新たな土地を見いだした一行は、今なお未知の大地を前に緊張と期待をにじませている。
— RekisyNews 国際面 【1493年】
