【東京 11月18日】
作曲家や作詞家の著作権保護を目的とした団体、大日本音楽著作権協会が本日創立された。近年、放送・レコード産業の拡大に伴い音楽の利用が急速に広まり、作者の権利が十分に守られていないとの指摘が続いていたことから、著作権管理を専門に担う常設機関の必要性が高まっていた。
協会は、国内の作曲家・作詞家の団体が中心となって設立したもので、著作物の使用に対して正当な使用料を徴収し、その収益を作者に還元する仕組みを構築する方針だ。特に、映画館・劇場・カフェなどでの楽曲演奏、ラジオ放送での使用、レコードの複製など、多岐にわたる音楽利用の実態を把握し、権利管理を一元化することが目的とされる。
設立総会では、音楽文化の健全な発展には「作者が正当な対価を受け取れる環境が不可欠」との声が相次ぎ、協会の役割に大きな期待が寄せられた。また、欧米諸国ではすでに同様の著作権管理団体が整備されており、日本でも国際的な著作権処理の協調体制を整える必要性があると強調された。
協会は今後、全国の興行主や放送事業者と協議を進め、使用料徴収の具体的な取り決めを行う見通しである。急速に広がる音楽産業の中で、創作者の権利を守る新たな枠組みが本格的に動き出した。
— RekisyNews 文化面 【1939年】
