グラフ選手、現役引退を表明 女子テニスの黄金時代に幕

 【ブールガー(ドイツ) 8月13日】

女子テニス界を代表するスター選手、シュテフィ・グラフ(30)が本日、地元ドイツで会見を開き、現役からの引退を正式に発表した。17年に及ぶプロ生活で、四大大会通算22勝、通算試合勝利数900超という輝かしい記録を残し、「黄金の女王」の異名とともにコートを去ることとなった。

会見でグラフは「今が潮時だと感じた。テニスは私の人生そのものであり、多くの喜びと学びを与えてくれた」と語り、声を詰まらせながらも笑顔を見せた。今後については「少し休養をとり、次の目標を見つけたい」と述べた。

グラフは1982年にプロデビューし、強烈なフォアハンドと俊敏なフットワークで瞬く間に世界の頂点に立った。1988年には四大大会全制覇とソウル五輪金メダルを同一年に達成する「ゴールデン・スラム」という前人未到の快挙を成し遂げた。長年にわたり世界ランキング1位の座を保持し、技術と精神力で女子テニスの時代を築いた存在である。

近年は度重なるケガに悩まされながらも、今季の全仏オープン準優勝、ウィンブルドン4回戦進出と存在感を示していた。ライバルのモニカ・セレシュマルチナ・ヒンギスとの激戦はファンの記憶に深く刻まれている。

国際テニス連盟は声明で「彼女の功績はテニス史に永遠に刻まれる」と称賛した。世界中のファンからも感謝と惜別のメッセージが寄せられている。グラフの去ったセンターコートには、ひときわ長い拍手が響き続けた。

— RekisyNews スポーツ面 【1999年】

アイキャッチ画像 Wikigo , CC 表示 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15858208による

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