女性ランナーの新時代開く──東京で初の国際女子マラソン開催

【東京 11月18日】

本日、都内で第1回東京国際女子マラソンが開催され、世界で初めて国際陸連の公認を受けた女子単独のマラソン大会として大きな注目を集めた。スタート地点の国立競技場には、国内外から集まった選手や観客が早朝から詰めかけ、冷たい空気の中に熱気が満ちた。

レースにはアメリカ、イギリス、ノルウェーなど各国から実力者が出場し、日本からも中距離で活躍する選手らが挑戦。午前10時の号砲とともに選手たちは都心のコースへ飛び出し、沿道には家族連れや学生が並び、声援が途切れることはなかった。

序盤は各国の有力選手が集団を形成したが、中盤にかけてペースが上がると集団は徐々に分裂。後半はトップ争いが激しさを増し、粘り強い走りを見せた欧米勢が先頭を引っ張った。ゴール付近では疲労の色を見せながらも、最後の力を振り絞る選手の姿に観客から大きな拍手が送られた。

長年、女子はマラソンへの正式参加を認められない時期が続いてきたが、今回の大会は国際競技としての地位を確立する重要な一歩となった。大会関係者は「女性競技者の可能性を世界に示す機会になる」と語り、来年以降の継続開催にも意欲を見せている。

東京の街を力強く駆け抜けた選手たちは、女子長距離競技の未来を切り開く象徴となった。

— RekisyNews スポーツ面 【1979年】

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