【ガイアナ・ジョーンズタウン 11月18日】
ガイアナ北西部の密林地帯にある入植地「ジョーンズタウン」で本日、米国系宗教団体「人民寺院」の信者らが大量に死亡しているのが発見された。現地当局によれば、死亡者は子どもを含む900人以上に達する見通しで、教祖とされるジム・ジョーンズ氏も遺体で見つかった。これほど多数の死者が一度に確認されるのは極めて異例であり、国際社会に衝撃が走っている。
人民寺院は、米国から移住してきた信者を中心に形成された共同体で、農園を基盤とした自給自足の生活を営んでいた。今回の悲劇の背景には、団体からの脱退希望者への圧力や虐待の疑いを調査していた米国下院議員レオ・ライアン氏一行が17日に襲撃され、同氏が死亡した事件がある。治安当局は、これを契機に指導部が信者に「集団死」を指示した可能性が高いとみている。
現場には、飲料容器や注射器が散乱し、多くの遺体が整然と横たわっていた。生存者はわずかで、森林に逃げ込んでいた人々が救助された。ガイアナ政府は米当局と連携し、事件の全容解明と身元確認を急いでいる。
共同体の平穏な暮らしを理想として移住した人々が、なぜこのような悲劇に至ったのか。荒れ果てた施設には今も熱帯の風だけが吹き抜け、惨状を物語っている。
— RekisyNews 国際面 【1978年】
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