フルシチョフ第一書記、西側外交団に挑発的発言 冷え込む緊張の中で強硬姿勢示す

【ワルシャワ 11月18日】

ポーランドを訪問中のソ連共産党第一書記ニキータ・フルシチョフ氏は本日、ワルシャワ市内のポーランド大使館で開かれたレセプションにおいて、西側各国の外交団に対し極めて強い表現で社会主義陣営の勝利を断言する発言を行い、列席者に衝撃を与えた。

同席者によれば、フルシチョフ氏は談話の中で世界情勢に言及し、「好むと好まざるとに関わらず、歴史は我々に味方する」と語ったうえで、さらに「貴様らにいずれ“クージカのお袋さん”を見せてやる」と発言。この表現はロシア語の慣用句で、相手を圧倒的に打ち負かすという意味を含むとされ、西側外交団の間では“不吉な警告”として受け止められている。

レセプション会場では一時、空気が凍りついたような静けさに包まれた。ある西側公使は本紙の取材に対し、「冗談として処理できる内容ではない」と語り、ソ連指導部の強硬姿勢が改めて明確になったと懸念を示した。一方、ソ連側関係者は「党第一書記の強調は、社会主義の歴史的必然性を述べたもので、敵意を示すものではない」と説明している。

今年に入り、東欧ではポーランドやハンガリーで情勢が不安定化しており、各国の行方をめぐって西側との神経戦が続く。今回の発言は、そのさなかでソ連が主導権を失わぬ姿勢を内外に示す狙いがあったと見られる。外交筋の間では、今後の東西関係に一層の緊張が走る可能性を指摘する声も上がっている。

— RekisyNews 国際面 【1956年】

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