【北イタリア・アルコレ 11月17日】
イタリア戦役を指揮するフランス軍の将軍ナポレオン・ボナパルトは本日、ヴェローナ南方の小村アルコレ周辺で、オーストリア軍との激しい三日間の戦闘に勝利した。アディジェ川とアルポーネ川に挟まれた湿地帯での難戦だったが、フランス軍はオーストリア軍を押し返し、北イタリアでの主導権を大きく引き寄せた。
戦闘は15日に始まり、両軍が狭い橋をめぐって激突。濃霧と泥濘に苦しむ中、ナポレオンは前線に自ら姿を見せ、軍旗を手に兵たちを鼓舞したと伝えられる。橋上での突撃は度々押し返されたものの、フランス側は側面迂回と執拗な圧力によってオーストリア軍の防衛線を崩し、敵を後退させた。
オーストリア軍は激戦の末に戦域から撤退し、指揮官アルヴィンツィ伯の反攻作戦は再び頓挫した。これにより、北イタリア各都市の支配権をめぐる攻防は大きくフランス側に傾き、フランス国内ではナポレオンの声望がさらに高まっている。
現地の兵士たちは疲労をにじませながらも勝利を祝った。湿地と川に囲まれたアルコレの小村は、いまや戦役の転換点として歴史に刻まれつつある。
— RekisyNews 国際面 【1796年】
