湖上の都テノチティトラン陥落 長期包囲戦、司令官コルテスが制圧

 【テノチティトラン 8月13日】

メキシコ中央高原の湖上に築かれた大都市テノチティトランが本日、スペイン人司令官エルナン・コルテス率いる遠征軍により陥落した。約3か月にわたる包囲戦の末、守将クアウテモックが捕らえられ、アステカの支配体制は事実上終焉を迎えた。

この戦いは、昨年の遠征軍撤退後に再編を果たしたコルテス軍が、同盟先住民勢力を多数引き連れて湖上の都を再攻撃したことに始まる。遠征軍は周囲の水路を制圧し、船団で補給路を断ちながら市街に進入。連日激しい戦闘が繰り返され、街路や運河は瓦礫と遺体で埋め尽くされた。

今朝、遠征軍は最後の防衛線を突破し、市中心部へ進軍。住民の多くは飢えと病に苦しみ、武器を手にできる者もわずかだったという。正午過ぎ、クアウテモックが小舟で逃走を試みたが捕縛され、直ちに降伏を宣言した。捕らえられた守将は「すでに戦う術を失った。私の命で民を救ってほしい」と述べたとされる。

市内は火災と破壊で壊滅的な状態にあり、石造の神殿や宮殿も大きく損傷している。現地の古老は「この都は神々の加護を失った」と嘆き、戦火を逃れた人々は周辺の村や山地へ避難している。

今回の陥落により、コルテス軍は中央高原の支配を確立し、湖上都市は占領下で再建される見通しだ。大規模な破壊と人口減少は避けられず、この地域の政治と文化は大きな転換点を迎えることになる。

— RekisyNews 国際面 【1521年】

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