NASA、スカイラブ4号を打ち上げ 84日間の長期滞在ミッション開始

【フロリダ州ケープカナベラル 11月16日】

米航空宇宙局(NASA)は本日、有人宇宙ステーション「スカイラブ」への最後の運用クルーとなるスカイラブ4号(Skylab 4)をサターンIBロケットで打ち上げた。乗組員はジェラルド・カー船長、ウィリアム・ポーグ飛行士、エドワード・ギブソン科学飛行士の3名で、約84日間にわたって宇宙での生活・観測を行う計画だ。

スカイラブ計画は1973年5月の打ち上げ以降、太陽活動観測や無重量環境での医学実験など多くの成果を挙げてきた。今回のミッションでは、前回を大きく上回る長期滞在に挑み、人体への影響や地球観測、太陽望遠鏡による詳細な観測が重点項目となる。

管制センターによれば、宇宙船は予定通り軌道に到達し、24時間以内にスカイラブ本体とのドッキングを実施する見通し。NASAは「人類の宇宙滞在期間をさらに広げる重要な一歩」として、将来の宇宙ステーション運用や火星探査に向けた基礎データが得られると期待を寄せている。

アポロ計画の終結後も続くアメリカの宇宙開発は、新たな段階に差し掛かっている。スカイラブ最後の乗組員たちは、長期宇宙滞在の可能性を探る歴史的任務に挑む。

— RekisyNews 科学面 【1973年】

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