国語改革、戦後の新たな指針示す 「現代かなづかい」「当用漢字表」告示

【東京 11月16日】

政府は本日、国語表記の簡素化と統一を目的とした「現代かなづかい」および「当用漢字表(1850字)」を官報にて告示した。長く慣習に頼っていた表記方法を国家として整理し、国民生活・教育現場に共通の基準を示す戦後初の国語政策である。

今回の告示は、文部省が設置した国語審議会の答申を受けて決定されたもの。現代語の発音に即した平易な書き方を示す「現代かなづかい」は、「ゐ・ゑ」の廃止や「は・へ・を」の用法の明確化など、日常表記に大きな変更をもたらす。また「当用漢字表」は、公文書や新聞・教育で使用する漢字を1850字に限定し、読み書きの負担を軽減する狙いがある。

東京都内の学校では、早速教員らが新しい基準を確認し合い、授業でどのように取り入れるか検討を始めている。一方、出版社では活字の整理や編集指針の見直しが急務となり、関係者の間では「表記が安定すれば編集作業が大きく改善される」と期待の声が上がる。

国語改革は占領下の社会改革の一環として進められているが、今後は辞書の改訂や教科書の全面刷新も見込まれており、国語表記は新たな転換期を迎えることになる。新しい文字づかいがどのように国民生活へ浸透していくのか、注目が集まっている。

— RekisyNews 社会面 【1946年】

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