【カリフォルニア州サンタクララ 11月15日】
米半導体メーカーのインテル社(Intel Corporation)は本日、世界で初めてとなるマイクロプロセッサ「Intel 4004」の発売を正式に開始した。かつて部屋一杯を占めた計算機の中枢機能を、わずか指先ほどのシリコンチップに集約した画期的な製品であり、電子技術の歴史に新たな一歩を刻んだ。
「4004」は、4ビット構成で約2,300個のトランジスタを内蔵し、毎秒6万回以上の演算処理が可能。従来の電子回路を集積化した“コンピュータの頭脳”そのものを1枚のチップに載せた初の製品として注目を集めている。開発は日本のビジコン社が手掛けた電卓用プロジェクトの委託をきっかけに、インテル技術者フェデリコ・ファジンらが中心となって進めた。
同社は、これを皮切りに汎用用途のマイクロプロセッサ事業を本格展開する方針を表明。「1枚のチップが未来のコンピュータを変える」として、制御機器から家庭用電子製品まで幅広い応用を視野に入れている。
業界では「計算機が個人の手に届く時代が来る」との期待が高まっており、4004の登場は情報技術の潮流を一変させる可能性がある。半導体が生み出す新たな文明の鼓動が、いま静かに鳴り始めた。
— RekisyNews 科学・技術面 【1971年】
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