【東京 11月15日】
本日、自由党と日本民主党が正式に合併し、新党「自由民主党」が発足した。戦後10年を経た政界再編の大きな節目であり、長らく分立していた保守勢力が「保守合同」を果たしたことで、与党体制の安定と強力な政権基盤の確立が期待されている。
合併大会は午後、東京都内で開催され、両党の代表や代議員が多数出席。初代総裁には自由党総裁の鳩山一郎氏が就任し、副総裁には日本民主党総裁の緒方竹虎氏が選ばれた。幹事長職は当面空席とされ、実務を岸信介氏(幹事長代行)が担う。総務会長には大野伴睦氏、政務調査会長には益谷秀雄氏が就任し、党の指導体制が整った。
結党声明では「自主憲法の制定、経済再建、国際信義の重視」を掲げ、保守本流の結束と国民生活の安定を訴えた。自由党と民主党はこれまで憲法改正や安全保障政策をめぐり対立してきたが、社会党再統一による左派勢力の台頭を前に、合同の機運が一気に高まった。
これにより、国会では自由民主党が圧倒的多数を占め、事実上の一党優位体制が形成される見通しである。政界では「戦後政治の安定期の幕開け」との見方が広がる一方、野党は「権力の集中を懸念すべき」と警鐘を鳴らしている。
— RekisyNews 政治面 【1955年】
