米軍と北ベトナム軍、イア・ドラン渓谷で激突──ヘリボーン作戦下で初の本格交戦

【南ベトナム・プレイク省 11月14日】

本日、アメリカ陸軍と北ベトナム軍(NVA)の間で、ベトナム中部高原のイア・ドラン渓谷にて激しい戦闘が始まった。これは、米軍がヘリコプターによる兵力投入=いわゆる「ヘリボーン戦術」を本格導入して以降、初めて大規模な正規軍との交戦となる。

米第1騎兵師団の部隊は、北ベトナム軍の進出を阻止するため、山岳地帯のランゾン渓谷付近に展開。午前中よりUH-1ヘリコプターによる空中展開を行ったが、直後にNVAの待ち伏せを受け、両軍が正面衝突。熱帯林と起伏の激しい地形の中で、激しい小銃戦、迫撃砲、空爆が繰り返されている。

軍当局によると、米軍側は数百名規模の兵員を投入しており、これに対しNVA側も相当数の兵力を隠密に配備していた模様。初日から甚大な被害が報告されており、戦闘は今後数日にわたって継続される見通し。

今回の戦いは、地上部隊の機動力と航空戦力を融合させたアメリカの新戦術が実戦に晒される初の試練であり、今後の戦争の帰趨に大きな影響を与える可能性があると専門家は見ている。

— RekisyNews 国際面 【1965年】

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