【アパラチン 11月14日】
ニューヨーク州アパラチンにある一軒の邸宅にて、全米各地から集まったマフィア幹部らによる秘密会議が本日行われたが、当局によって摘発され、大規模な捜査の幕が開けた。
現場は同地の実業家ジョゼフ・バルバラ氏の邸宅。50人以上の男たちが高級車に乗って集まる不審な動きに気づいた地元警察が現地を急襲したところ、逃走を図る男たちが次々と裏山に逃げ込むなど、異様な光景が繰り広げられた。
逮捕・拘束されたのは、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスなど全米の有力マフィアの幹部クラス。会議の目的は、組織間の縄張り調整や不審死したルチアーノ派幹部の後継人事、麻薬ルートの再編成などが協議されたとみられている。
この「アパラチン会議」は、長らく「陰謀論」とされてきた全米規模のマフィア組織の存在を裏付ける決定的な証拠となり、FBIは態度を一変。これまで否定してきた“コーサ・ノストラ”の存在を重く受け止め、今後の捜査体制の見直しを進める見通しである。
米国内における組織犯罪との闘いが新たな局面を迎えたことを印象づける事件となった。
— RekisyNews 社会面 【1957年】
