教育番組の革命『セサミストリート』、全米で放送開始

【ニューヨーク 11月10日】

本日、アメリカの公共教育テレビ局「ナショナル・エデュケーショナル・テレビジョン(NET)」にて、子ども向け新番組『セサミストリート(Sesame Street)』の放送が始まった。初回の放送は午前9時、カラフルな人形たちと実写映像、そして音楽とユーモアを交えた構成で、子どもたちの知的関心を引き出す革新的な内容となっている。

この番組は、「すべての子どもに等しく教育の機会を」という理念のもと、低所得層の子どもたちの識字率向上を目指し、テレビの力を積極的に活用する試みとして開発された。制作は非営利団体「チルドレンズ・テレビジョン・ワークショップ(CTW)」が担当し、開発には心理学者、教育者、作家、芸術家が多数参加している。

番組の特色は、幼児教育とエンターテインメントの融合にある。アニメーションやパペット劇、コメディ的寸劇を通じて、アルファベットや数字、協調性、社会性などを自然に学べる構成。特に、ジム・ヘンソンが手がけるマペットたち――ビッグバードやアーニーとバートなど――は、すでに初回放送で大きな話題を呼んでいる。

CTWの責任者ジョーン・ガンツ・クーニー氏は「子どもたちはテレビを見る。ならば、それを学びの道具に変えようと考えた」と述べ、本番組が教育の格差を是正する一助となることを願っている

『セサミストリート』は現在、全米のNET系列での放送が順次拡大中であり、教育関係者の間では「教育テレビの歴史が変わる日」との評価も聞かれる。

— RekisyNews 教育・文化面 【1969年】

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