アジア・アフリカの新興諸国が集結 ジャカルタで第1回新興国競技大会が開幕

【ジャカルタ 11月10日】

本日、インドネシアの首都ジャカルタにおいて、第1回新興国競技大会(GANEFO)が華々しく開幕した。アジア・アフリカを中心とする新興諸国による国際的なスポーツ大会であり、「スポーツによる団結と平和」を掲げた歴史的な試みとして注目を集めている。

大会には、中国、北朝鮮、インドネシア、エジプト、ベトナム、カンボジアなど50か国以上が参加。選手団総勢は2,000人以上にのぼり、陸上、水泳、バスケットボール、体操、卓球など多くの競技が行われる予定である。インドネシアのスカルノ大統領は開会式で、「スポーツは政治から切り離せない。真に平等な大会が求められている」と演説し、西側主導のオリンピックとは一線を画す大会の理念を強調した。

この大会は、インドネシアが1962年のアジア大会において中華人民共和国などの参加を拒否されたことでIOC(国際オリンピック委員会)との対立が深まり、オリンピックに代わる独自大会を創設しようという構想から誕生したもの。そのため、GANEFOは「第三世界による、第三世界のためのスポーツの祭典」とも位置付けられている

日本からは政府方針により公式選手団の派遣は見送られたが、個人資格で一部の日本人選手が参加しており、今後の競技に注目が集まっている。

大会は今月24日まで続く予定であり、新興諸国の結束と自立を象徴する場として、世界の視線がジャカルタに注がれている。

— RekisyNews 国際面 【1963年】

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