武満徹の新作『ノヴェンバー・ステップス』、ニューヨークで世界初演

【ニューヨーク 11月9日】

日本の作曲家武満徹(たけみつ・とおる)氏による革新的な新作『ノヴェンバー・ステップス』が、本日ニューヨーク・フィルハーモニックによって世界初演された。カーネギー・ホールの聴衆は、邦楽器と西洋オーケストラの前例なき融合に耳を傾け、深い感銘を受けた。

同作は、尺八琵琶という日本の伝統楽器をソリストに迎え、西洋オーケストラと共演させるという意欲作。尺八奏者の横山勝也氏琵琶奏者の鶴田錦史(きんし)氏が舞台に立ち、それぞれの即興演奏がオーケストラと緊張感あふれる対話を繰り広げた。

指揮を務めたのは、同楽団の音楽監督レナード・バーンスタイン氏。氏はかねてより武満氏の音楽性に注目しており、この初演は国際的な注目を集めていた。

演奏後には数分間にわたる拍手が続き、異文化の邂逅がひとつの芸術に昇華された瞬間に、会場は深い感動に包まれた。武満氏は「音楽は国境を超える」と語っており、本作はまさにその理念を体現した記念碑的作品と言えるだろう。

— RekisyNews 文化面 【1967年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次