【ロンドン 11月9日】
本日、世界最大のダイヤモンド原石「カリナン」が、南アフリカ・トランスヴァール政府より、イギリス国王エドワード7世陛下へ正式に贈呈された。贈呈式はバッキンガム宮殿で静かに行われ、王室関係者や政府高官らが立ち会った。
カリナンは昨年1905年1月、南ア・カリナン鉱山にて発見された3106カラット(約621グラム)の巨大な原石で、発見当初から世界的な注目を集めていた。今回の贈呈は、英王エドワード7世の在位25周年を祝し、また英南ア関係の修復を意図した政治的な意味合いも含まれている。
この宝石は、今後王室の意向により、専門の職人によって複数の宝石へとカットされる見通しで、王冠・セプター・王室宝飾品などへの加工が検討されている。
トランスヴァール植民地政府のスマッツ大臣は、「これは忠誠と友好の証であり、我々の未来が英国とともにあるという決意の象徴だ」と述べた。
王室はこの贈り物に深く感謝を表し、「輝かしい帝国の結びつきの証として、末永く記憶に残るであろう」との声明を発表した。
— RekisyNews 国際面 【1907年】
