【東京 11月8日】
本日、政府は自動車や自転車など車両の通行に関する全国的な統一規定を定める新たな法律、「道路交通取締法」を正式に公布した。これは戦前からの道路取締規則や各地方の交通規則を統合・整理したもので、今後の交通秩序の確立と安全の確保を目指す重要な法制度となる。
同法は、道路における交通の安全と円滑を図ることを目的とし、警察による取り締まり権限の法的根拠を明確化。運転者の遵守事項、標識や信号機に関する規定、違反者への処罰基準などが初めて体系的に盛り込まれた。また、自転車や荷車といった軽車両についても取り扱いが規定されており、戦後の都市交通の複雑化に対応する法整備として注目を集めている。
今後は、各都道府県警察により施行細則が定められ、昭和23年(1948年)初頭からの本格施行が予定されている。警察庁は「国民一人ひとりが交通ルールを理解し、事故防止に努める社会を作る第一歩」と強調。戦後の復興とともに増加する車両と人の流れに対し、法の整備がようやく追いついた格好だ。
この「道路交通取締法」は、のちに全面改正を経て現在の「道路交通法」(昭和35年公布)へと発展していくことが期待されている。
— RekisyNews 社会面 【1947年】
